この記事を書いて3年半。奴らが帰ってきた。
厳密にいうと去年もちょこちょこイベントに出ていたが、2020年元日に本格的な再始動を宣言。しっかりトレンド入りもして、東京事変復活に負けない盛り上がりを(少なくとも僕の中では)していた。
今回の再結成にあたり、DOESのオフィシャルYouTubeチャンネル及び各種ストリーミングサービスでは過去作のMVが相次いでフル配信されている。今回はそれを見ていく中で個人的に好きだったMVを上げながら、ゆるゆると彼らの魅力について書いていく。
1.曇天
DOES 『「曇天」(テレビ東京系アニメ「銀魂」オープニングテーマ)』
どの楽器も難しい事はほとんどやっていない。その分「THE・武骨」としか言いようがないシンプルなカッコよさが際立つ。
鉛の空 重く垂れ込み 真白に淀んだ 太陽が砕けて
耳鳴りを 尖らせる
この頃のDOES、マジで歌詞がキレッキレ。下手に感情を込めることなく淡々と情景を切り取った言葉が、心にストレートに突き刺さってくる。
MVはどこか不穏な雰囲気が漂う。踊るテルテル坊主、佇む女性、そして背後に現れたもう一人の自分にギターでぶん殴られるVo.氏原ワタル。文字で書くと訳が分からないが、映像で見ると妙な迫力があって見入ってしまう。夕立が近づいてくる不安な感じを上手く映像に落とし込んだ名作。
2.ジャックナイフ
メンバー同士がボコボコに殴り合う凄いMV。シリアスな曲によく合っているが、なんというか…ちょっとシュールさもある。
特に
①めちゃめちゃ喧嘩する3人
②フラフラ~と持ち場に戻る
③何もなかったかのようにサビを演奏
④サビが終わった瞬間喧嘩再開
という一連の流れは、なんか笑える。ただ喧嘩シーンは3人とも表情が迫真でかなり見ごたえがある。演技がうまいのか普段から慣れているのか…
3.夜明け前
「これはプロモーションビデオではない」という冒頭の注意書きにドキッとする不思議なMV。「Don't 〇〇」と書かれた看板があちこちに立てられた展示室が舞台。冒頭のメッセージは、プロモーションビデオ=販促ビデオという言葉に対して、「これは芸術作品である」というアンチテーゼなのかもしれない。この曲に合っているかというと何とも言えないけれど…とりあえず黒いコートに身を包む氏原ワタルは超カッコいい。
曲自体はDOESの中でも1、2を争うくらい好き。切なくも前を向いて歩き出そうとする力強さを持った名曲。
4.夢見る世界
この曲に関しては活休前からMVがフルで上がっていた。
DOESのMVはシンプルな作品が多いが、これに関しては結構凝った作品になっている。シンセを取り込んだスケールのでかい曲に合わせ、MVも宇宙空間から地球にズームインする場面に始まり、その後も大胆なカメラワークを駆使したなかなか気合の入ったもの。それでも演奏シーンは相変わらずのクールなたたずまいで安心する。
この曲に関しては、何か他の曲と雰囲気違うしオリジナルアルバムにも入っていないしであまり聴く機会がなかった。だが改めて聴くと、そこまでDOESらしさを削っているような感じはない。今までにない開放感を持ちつつ、地に足をしっかり着けた力強さもある良曲だ。
今回の復活を機に改めてDOESを聞き返してみたが、やっぱり彼らの生み出す独特な雰囲気、そして気怠さと力強さが同居した氏原ワタルの声は、簡単に見えて真似できない存在だと改めて感じた。再始動を果たした彼らが、これからどんなカッコいい姿を見せてくれるのかが今から楽しみだ。
そして最後にこれだけ言わせてほしい
「ツイッターで喜ぶのは良いけど、『DOSE』じゃなくて『DOES』な」
復活ありがとう、おかえり。