ロックンロール戦線異常あり

好きなものをつらつらと

KALMAは僕が持っていないものを持っている

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音楽好きな同僚に、「最近なんかオススメある?」と聞いたら、KALMAを勧められた。「なんとなく名前の響きが似ているから、音楽性も似ている気がする」という雑な理由でFOMAREやKOTORIなどと同じ箱にぶち込んでいたバンド。アー写やツアータイトルからほとばしる「俺たち!若者してます!」感に気圧されてスルーしていたが、せっかくの機会なので聴いてみることにした。 

 


KALMA / これでいいんだ [Music Video]

 

いざ聴いてみると、自分はKALMAの曲の中にある瑞々しさを少しも持ち合わせていないことを思い知る。「素晴らしい毎日」という曲の歌詞に出てくる《コーラを飲み バスケをやり くだらない話で笑い合う》輩から一歩引いた位置に、いつも自分はいた。モンエナ、スマブラ、卓球、ヤードム、えげつない下ネタに囲まれ、「ときに甘酸っぱく、ときにほろ苦いエバーグリーンな青春」に憧れと嫉妬の視線を向けていた自分にとって、KALMAの曲は世界が違っているように思う。

 

それでも彼らの曲はなぜか自分に響いた。メロディや声から滲み出る素朴な感じはどことなくandymor感があって好みだし、彼らの淀みない言葉は何かとややこしく考えがちな自分にとってなんだかとても逞しく思えたのだ。人は自分に無いものを持っている人に惹かれるというが、僕のKALMAに対する見方は多分それと同じだ。

 

個人的に好きな曲は「雪のまち」。《雪になって君の住む街に降れたら わざわざバスや電車に乗らなくても良いのにね》というロマンチックなサビの歌詞にキュンとなる。「君」からの返信を待ち続ける「僕」のそわそわ感が、リアルな生活感のある歌詞で誇張なしに歌われているのも良い。先ほど「世界が違う」と書いたが、この曲に関しては「僕」の心情が痛いほどよくわかった。(24歳にもなってこんなんで大丈夫か自分とも思ってしまうが。)

 

雪のまち

雪のまち

  • KALMA
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

 「若者であること」をストレートに前面に押し出してくるバンドをあまり聴いてこなかったので、KALMAとの出会いはここ最近で特に新鮮な刺激になった。彼らの曲の中にある瑞々しさをたとえ持ち合わせていなくても、それを受け入れることのできる大人になりたいな思う。