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あれだけ猛威を振るっていたコロナがスン…と落ち着き、束の間の平和が訪れている気がします。
一説によると状況が変わった1番の原因は「ウイルスの自滅」にあるらしいですが、もしそうだとすれば「神様の手の上で踊らされている」感じがしてなんだか複雑な気分。このまま治ってくれと願うばかりですが、はてさてどうなることやら。
そんなことより!今月もこのコーナーがやってまいりました。今回は邦洋入り混じった3バンドを紹介、いつにも増して(良い意味で)渋いメンツをそろえております。
それではどうぞ!
1.歴史は踊る(日本・名古屋)
THE FIRST TAKE主催のオーディションにて、『顔がいいやつは音楽をやるな』という衝撃の曲でセンセーションを巻き起こした小林右京が始動させたロックバンド。
ロック、ファンク、サイケ、ブルースなどの様々なジャンルを取り込み縦横無尽に動き回るテクニカルな演奏と、皮肉とユーモアが入り混じる小林の乾いた歌声は破壊力抜群。バズマザーズやZAZEN BOYSが好きな人ならきっと琴線に響くものがあるはず。
目まぐるしい変化を重ね続ける、「歴史」という不安定なステージの上で踊り狂う3人。一見気のむくままにステップを踏んでいるように見えるが、その言葉には若くして容赦なく進む時代への諦念が見え隠れしている。
それでもなお音楽が生み出す刹那の享楽に身をゆだねる姿には生々しくも美しい「人間らしさ」がある。小林右京のソロも含め、これからの活躍が楽しみだ。
2.アッシュ(イギリス・ダウンパトリック)
1992年結成、現在も活動を続けるアイルランドのロックバンド。フジロックに出演したり、アジカンと対バンしたりと日本でも馴染みが深い。
音楽性はいわゆるポップパンク!飾りのないシンプルなギターサウンドとキャッチーなメロディはアメリカのGREENDAYを彷彿とさせるが、ノリの良さと温かいメロディのバランスの良さはやはりUKのバンドだなぁと思う。
特に『There's a Star』(4th収録)、『Polaris』(6th収録)などのミディアムチューンを聴くと、それこそオアシスを筆頭とするブリットポップの息吹を存分に感じられる。
個人的にはApple musicのアーティストページに出てくるアー写が好き。3人のおっさんが軽やかにジャンプする姿には、今なおフレッシュな気持ちを失っていない勢いがある。元気なおっさんバンドはやっぱり魅力的だ。
3.インスパイラル・カーペッツ(イギリス・マンチェスター)
イギリスで結成、80年代後半から90年代初頭にマンチェスターから発生したバンドブームの代表格のひとつ。1995年に一度解散するも2003年に再結成。
過去にノエル・ギャラガーがローディをやっていた縁でオアシスとの関係が深く、2016年にドラムが急逝した際もノエル、リアム共に追悼のメッセージを送っている。個人的にはエコー&ザ・バニーメンを知ったことをきっかけに、その周辺の音楽を漁る中で彼らを知った。
ニューウェイヴの残り香をまとった煌びやかなオルガンと、性急なダンスビートが絶妙な塩梅で混ざり合うサウンドが最高にクール。『Generations』のイントロで小一時間は踊れるぜ。
しかし同じくブームを牽引したストーンローゼズやオアシスと比べると取り上げられることは少ない印象。
それでもダンスミュージックとロックを巧みに融合させたその音楽性は、のちに訪れるポストパンク/ガレージロックリバイバルを盛り上げたフランツ・フェルディナンドやクラクソンズに確かな影響を与えている、はず!
シーンの変化の狭間で確かな存在感を放ち、後々のバンドにも影響を与えたそのサウンドは、「時代に埋もれた」と言うにはあまりにも惜しい。
今月は以上です!
こちらのコーナーで取り上げるバンドは自薦他薦問わず募集中!「このバンドが好きならこれはどう?」「むしろ俺たちの曲を聴け!」など熱いメッセージをお待ちしております!
それではまた来月!