中編です。今回はこのアルバムのある意味「核」となっている、「恋とロックの三部作」のレビューです!
5.骨
「恋とロックの三部作」第二弾として発表されたシングル
《抱きしめてあむあむしたい》というサビの歌詞が印象的。「あむあむ」という表現が絶妙にキモい…というとアレだが、そこには下心の枠を超えた、愛しい相手への純粋な想いがある。純粋性は時にキモさを凌駕するのだ、赤ちゃんがよだれを出すことに嫌悪感を抱かないのと同じように。
前編の「DO YOU LIKE ME」の感想でも触れたが、今の銀杏はこれまで同様「恋や愛」をテーマにしつつ、今まで以上に深いところへ潜ってその本質に触れているような感覚がある。
6.エンジェルベイビー
「恋とロック三部作」の第一弾として発表されたシングル。
原曲からかなりのアレンジがされている。特にバンドのまとまりをあわや崩そうかというくらい暴れ狂っているドラムからは、思春期特有の胸の昂りや行き場のない焦りが表れているように感じる。
そしてこの曲には、今の銀杏が青春を歌うことについての答えが表れているように思う。《さようなら 美しき傷だらけの青春に》と歌う峯田は、既に青春を高らかに歌う段階に来ているわけではないことをおそらくわかっている。しかしたとえ青春と呼べる時期を過ぎ去ったとしても、あの時出会ったロックへの愛が消えることはない。どれだけ大人になっても、あの時良いと思ったものに輝きを見出せる、そんな感性をいつまでも持ち続けていたいなと思う。
7.恋は永遠
恋とロック三部作の第三弾。そして迷いの時期を抜けた峯田が改めて、何度もテーマにしてきた「恋」と向き合った名曲。
この曲に関してはとにかく「眩しい」。ここまでの銀杏BOYZの歩みを考えると、長い長いトンネルを抜けたようなカタルシスがいる。今の銀杏BOYZを象徴する曲になっており、このアルバムの核になっていると思う。
そしてCメロからは、実に15年ぶりにYUKIとの共演が実現。峯田が「幻想の象徴」と語るYUKIの声は15年を経てなお澄みきっていて、銀杏BOYZが持つ純粋性が具現化した存在なんだなと感じた。でも少し注文をつけるなら、YUKIの参加はシークレットでも良かったかも…
今回はここまで。あと4曲、早めに書き上げられるように頑張るぞ。