ロックンロール戦線異常あり

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ディスクレビュー:Night Flowers『Wild Notion』


Twitterのフォロワーさんがオススメしていて聴いてみたら割と本気でハマってしまった。

イギリスのロックバンド、Night Flowersの1stフルアルバム。正直、「これが1stかよ…」てくらい完成度が異常に高い。シューゲイザーやポストロックを軸に置きながらも、ポップさを忘れないサウンドが、聴いていてホントに気持ち良い。夏夜のぬるい風に当たりながら聴くとサイコーなのだ。

正直、洋楽って曲単位で好きになることはあってもアルバムで好きになることがあまり無くて。レディへの『creep』とかクラッシュの『London calling』とか好きな曲は多いけど、いざアルバムになると大抵途中でだれてしまって後半の曲をほとんど聞き流しちゃうことが多い。それは俺の耳がまだ洋楽を聴くのに慣れてないってこともあるけど、多分アルバム自体の問題も多少はあると思うんだよね。アルバムの流れがあんまり意識されてないというか…そもそも通して聴くことを前提としてないというか…多分それは特徴みたいなもんだろうけど。

そんな中でこの『Wild Notion』、初めて洋楽のアルバムを本気で傑作だと思った。とにかくアルバムの流れが完璧。1曲目と2曲目がシームレスで繋がる瞬間の涼風が吹き抜けるような爽快感だったり、アルバムを終わりに近づけながらも深い余韻を残してくラスト曲『Cruel Wind』の長いアウトロだったり、ちゃんとアルバムがひとつの作品として成立してる印象を受けた。

そしてもちろん曲も最高。決して曲幅が広いわけではないけど、どの曲がリード曲になってもおかしくないくらい良曲揃い。個人的なお気に入りは3曲目の『Resolver』、のっけから超ポップなスキャットに一気に心を持ってかれた。タイトなドラムビートに乗っかるささやくような歌声が心地よい6曲目『Head on』も好きだ。

pillowsとかきのこ帝国みたいな、オルタナティブロックやライトなシューゲイザーが好きな人にはハマるんじゃないかと思う。日々の生活のちょっとした疲れをドリーミーなサウンドでそっと癒してくれるアルバム。ホントに傑作だぞ!