ロックンロール戦線異常あり

好きなものをつらつらと

DOESの思い出


今年は人気バンドの活動再開だの活動休止だのが多い気がする。ミュージャンってのは経済面に限らずその人の精神面、肉体面でもなかなか不安定になりやすい仕事だと思うし、まあしょうがないのだけれど。
9月18日、今年でデビュー10周年を迎える人気バンドDOESが無期限活動休止期間に入った。発表された時は正直ちょっと驚いた…まさかこのタイミングで来るとは…何にせよDOESを知ったことによる自分への影響は結構大きい。そんな思い出話。

DOESを知ったきっかけは、多分僕も多くの人と同じだ。

そう、『曇天』である
僕が銀魂にハマったきっかけはギャグの面白さでも、キャラクターの魅力でもなくDOESのこの曲が始まりであった。「何このOPかっけえ!どんなアニメなんだろう……え?チ◯コ?……面白え!」て感じ。
そこから自分はDOESを積極的に聴き始めた。そんで聴けば聴くほど普通に銀魂の曲以外も名曲揃いじゃん!てことにも気付き始めた。


個人的なおすすめ曲。疾走感あるメロディに乗せていつか来る別れへの不安とそれでも一緒にいたいと思う一途な想いが歌われる切ない曲。巧みな風景描写による歌詞の美しさと、激しいギターサウンドや氏原さんの声が持つ泥臭さが作り出す絶妙なバランスがDOESの魅力の一つだと思う。シングルでMVもあると思うのだがようつべにはなかった…

DOESを知ったことによる自分への影響は割と大きい。今までスピッツとかミスチルくらいしか聴いてなかった自分が「ロックンロール」に傾倒していくきっかけとなったのが彼らだから。その後にthe pillows界隈を知ったことで僕はみるみるうちにロックンロールの沼にはまっていくのだが、多分pillowsやミッシェルを好きになるにあたってDOESが耳慣らしの役割を果たしたじゃないかと今となっては思う。

そしてDOESはバンドの厳しさも教えてくれた。売上げについてとやかくいうのは嫌いだが、DOESの、銀魂関連以外の作品は決してその質にあった売れ行きとはいえなかった。
「アニソンは時にそのバンドのイメージを固定化させちゃう問題」、彼らはそれを如実に示したといえる。アニメの主題歌でヒットしたが、そこからみるみるうちに消滅…とまでは行かなかったものの、「アニソンバンド」という看板(というか呪い)は常に彼らの肩に重くのしかかっていたに違いない。最終的に開き直ることができたのがせめてもの救いだが、バンドの人気を維持する難しさを痛感したのはDOESが最初だ。

ああそうだ、これも言っとかなきゃあ…
僕が初めて「自分でチケットを買って」「ライブハウスで見た」ライブはDOESだった。もう一年以上前だし、その後たくさん良いライブを見てきたから記憶は薄れているが始まる前の緊張感や始まってからの半端ない熱量、観客の歓声、爆音、その全てを叩き込んでくれたのがこのライブだったのは間違いない。そのときのチケットはぐしゃぐしゃになったまま、机の引き出しにしまってある。今思えば今回のツアーも行くべきだったとちょっと後悔。

今回の活休についてはメンバー全員が、あくまで前向きな活休でありまた戻ってくるとも言ってくれた。ファンとしてはその言葉を信じるのが今は賢明だろう。やることをやりきってしっかりファンに感謝して身を引く…立つ鳥跡を濁さずの精神、流石だ
彼らがそれぞれで活躍してくれること、そしていつかまた3人で泥臭いロックを鳴らしてくれることを心より願っております。