ロックンロール戦線異常あり

好きなものをつらつらと

ディスクレビュー:DOES『道楽心情』

f:id:ks0623106:20210110171225j:plain

 

namsk-ks.hatenablog.com

 

昨年1月に華々しく活動再開…したと思ったら世界があんなことになってしまい、起きてるんだか寝てるんだかよくわからない状態になっていたDOES。側から見たらほとんど動きがないように見えて心配していたが、水面下でとんでもない大仕事を任されていた。DOESとは切っても切り離せない作品である「銀魂」との久々の、そして最後のタイアップである。

アニメとしては最終作(たぶん)となる「銀魂THE FINAL」の挿入歌として、同じく銀魂と縁のあるSPYAIRとともに作品に花を添えることになった彼ら。そんな経緯で生まれたシングル『道楽心情』のリリースによって、DOESは改めて復活の狼煙をあげたのだ。

 


DOES 『道楽心情』(映画「銀魂 THE FINAL」挿入歌)

 

「完結」ということもあって、今まで以上に気合が入っているのだろう。曲中には銀魂を意識させるワードが、ちょっと露骨なくらい散りばめられている。「江戸」「侍」なんかはともかく「まるでダメなおっさん」なんてそのまんまだ。自分たちの人気を一気に押し上げてくれた「銀魂」への一本気な愛情をビシバシ感じる。

ただそれ以上に嬉しかったことは、「銀魂」の存在を抜きにしてもカッコいいロックンロールがそこにあったことだ。3曲とも活動休止のブランクを感じさせない、確かな「DOESらしさ」が詰まっている。パワーコード主体のシンプルなギターサウンド、熱いメッセージを込めつつ肩肘張りすぎない飄々とした歌詞、そして全体を覆う和の雰囲気…一回聴いただけで、「DOESが帰ってきた!!」と確かに感情が昂った。

 

既成の概念放りなせえ 自由な行動(オオオ)

(道楽心情)

 

個人的に「DOESらしさ」を感じた、『道楽心情』のサビのフレーズ。「放りだせ」ではなく、「放りなせえ」。たった一文字変えただけで、なんだか一気に「いなせ」になるなあと感じる。こういう細かい言い回しの積み重ねによって生まれる空気感、そこにDOESが培ってきた和風ロックの真髄がある。

 

他の2曲も、正直どれが主題歌になっても問題ないくらいの渾身の出来。『道楽心情』と同じく挿入歌となった『ブレイクダウン』はもちろん、最後の曲『斬り結び』は映画内では使われていないが、Vo.氏原ワタルが「裏主題歌」と言っていたのも納得の、映画のラストと重なる清々しい一曲。全体を通して「最後のお祭り騒ぎ」を彩るにふさわしい、ハイテンションとセンチメンタルが混じり合った作品になっている。

 

何はともあれ、ようやく本気で「おかえり」と言えるようになった。銀魂は終わったけど、DOESはここがリスタート、戦乱の音楽シーンをこれまで以上に暴れ回ってほしいぜ。 

道楽心情 - Single

道楽心情 - Single

  • DOES
  • ロック
  • ¥764