ロックンロール戦線異常あり

好きなものをつらつらと

ライブレポート:COUNTDOWN BUMP SHOW!!2019→2020〜最前奮闘記〜 後編

4.UNISON SQUARE GARDEN

足の痛み60% 腰の痛み60%
足裏に定期的に鈍痛が走る。後ろからの圧はますます強くなり、つま先立ちが精一杯。しかし700キャパの箱でユニゾンを最前で見る、この二度とないチャンスをここで逃すわけには行かない、絶対にユニゾン好きの友達に自慢してやる!という気合で乗り切るのだ。

と、いうわけでユニゾンのライブ。Ba.田淵は本日も絶好調。都市伝説上の存在かと思っていたが、現実にステージ上を縦横無尽に駆け回る姿に「実在したんだ…」と感動しっぱなしだった。そして「早くピロウズが見たいのでこのまま最後まで行っちゃいます」とVo.斎藤が話す通り、隙を見せずガンガン曲を畳みかけていくストイックな姿勢がカッコいい。圧倒的な熱量を観客と共有しながらひたすら駆け抜け、そのままラストの『RUNNERS HIGH REPRISE』へ。田淵がさわおさんから、「ユニゾンピロウズが好きって言ってるわりに曲がピロウズっぽくない」と言われ奮起して書いた曲であり、オマージュという形で曲の随所にピロウズ愛が見える。ピロウズに向けた、ユニゾンなりの最大限の愛情表現をしたところで白熱のライブは幕を閉じた。

ニゾンピロウズ、傍から見ればバンドを取り巻く環境は全然違う。だがユニゾンの、どんな場でも自分達のスタンスを崩さないバンドの姿勢はおそらくピロウズから受け継いだものだピロウズが後進のバンドに与えた影響の大きさ、そして与えたものの普遍性を改めて思い知った。

5.the pillows

足75% 腰80%
全身が痛い、ずっと同じ姿勢を取っているからかここにきて腰回りがヤバくなってきた。あとすげえトイレ行きたい。だが遂にここまで来た、横アリは日程が合わず涙を飲んだが、やっとピロウズの30thを直接祝うことができる、それが素直にうれしい。

2019年3月のツアー以来久々のピロウズだが、ピロウズにとっても表舞台に立つのは10月の横アリぶり。というのもあってか、最初の数曲はちょっと感覚を取り戻そうと試行錯誤している印象を受けた。3曲目『MY FOOT』辺りから徐々に本調子になっていき、この辺りから自分も身体の痛みを気にせず、「楽しい!」と思えるようになった。

そしてカウントダウン、ステージ上に出演者全員が揃いクラッカーで盛大にお祝い、そして畳みかけるように『LITTLE BUSTERS』!!とにかくステージ上の情報量が凄い。肩を組んで踊る人、静かにリズムを刻む人、うつろな表情で茫然と立ちすくむ平田パンダ(本人のブログ曰く、眠かったとのこと)。みんなで一緒に歌うとか、一緒に踊るとかそういうことは全くない、でもこの瞬間観客も出演者も全員楽しんでいることは分かる。この「一体感の無い一体感」が、デリシャスレーベルらしさなんだろうなと感じた。

そこからはライブ定番曲を中心とした圧巻のライブ。『ONE LIFE』は確か横アリではやらなかったから、待ち望んでいた人は多かったんじゃないだろうか。横アリを見られなかった自分としてはどの曲もウェルカム状態、身体の痛みなど全部吹っ飛び、まだこんな体力があったのかと自分でも驚くくらいはしゃいでいた。

このライブではピロウズの今後の活動に関するアナウンスはなかったが、「来年もよろしく」とサラッと言っていたので、何も心配はしていない。30年という長いキャリアで培われた抜群の安定感と、まだまだ現役と云わんばかりの気迫に満ちたライブだった。

 

30周年を迎えたピロウズを、遅ればせながらこの場で祝えたことは本当に幸せだった。そして慣れない最前列はなかなか厳しい環境だったが、途中で後ろに行かずずっと前にいるという自分の選択は間違いではなかったと思う。おかげで何の未練もない年越しに…いや、Twitterのフォロワーさんと少ししか話せなかったのはやや心残りか。でもまあ、同じ音楽を好きでいればまたどこかで会えるだろう、きっと。
あー、来てよかった。