少し前だが、「野ブタ。をプロデュース」が再放送されていた。
珍しく母親が録画して見ていたため、自分もチラッと覗き見。リアルタイムでは見ていなかったが、今になると所々に出てくる空回り気味のノリがしんどい。総じて、「めちゃくちゃ2000年代っぽい〜〜!」と思った(伝わるのかこの感想)。「青春アミーゴ」は良い曲なんですけどね。
このドラマが流行っていた当時のバンド界隈を振り返ると、アジカンを筆頭に、ストレイテナー、ELLEGARDENといった今でも名の知れたバンドが相次いでヒットチャートに入っていた。土臭いサウンドと風通しの良いメロディー、そして若者の胸の高鳴り、疼きを代弁するような歌詞を武器にした、真っ直ぐなバンドがウケていたように思う。
時が経って2020年、最近はKing Gnuらを筆頭に凝ったサウンドと洒落た雰囲気を武器にしたバンドが光を浴び、あの頃のバンドは「王道」とされつつもメジャーシーンから少し距離を置いている印象を受ける。
そんな中、東京からあの頃の空気を纏ったロックバンドが現れた、
彼らの曲を聴いて、「ああ、こういう感じが欲しかったんだよ!」となる人は少なくないと思う。無駄のないシンプルなギターサウンド、ソリッドな雰囲気を醸しつつキャッチーさも忘れないメロディー、そこにどことなくゴッチを彷彿とさせる低い声が乗れば、聴いた人の心はもう「あの頃」に吸い込まれていく。当時を知る人からすれば限りなく「王道」に近いロックバンドが、この2020年に現れたのだ。
もちろんただの懐古趣味ではない。彼らはれっきとした現代の若者だ。そしてその真っ直ぐなサウンドは、この閉塞した時代に風穴を開けてくれるような、新鮮な輝きを放っている。
現時点でストリーミングに上がっている音源は3枚。『lost war chronicles』がその中で1番新しい音源だが、ボーカルや演奏の熱量が他2作と比較にならないくらいに高まっており、さらに最新曲の「JIDAI」もシンプルなカッコ良さが際立つ名曲。ここ1,2年で彼らの鳴らすロックには一気に磨きがかかり始めている。
久々に「王道だ!」と胸張って言えるロックバンドが現れたと思う。この時代にどこまでその真っ直ぐさが通用するか、今後の動向が楽しみだ。
それではまた次の記事で、コンコンッ