ロックンロール戦線異常あり

好きなものをつらつらと

「歌のちから」が凄いバンド、COSMOS

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※3/14追記:現在は4人組となり、「フリージアン」に改名して活動中!

 

歌には不思議な力があると思う。

落ち込んだ気分を慰めてくれたり、楽しい気持ちにブーストをかけてくれたり…人生の様々な場面で、「歌のちから」はいろんな形で僕らに作用してくれる。

一方でこの力は、あくまで聴く側に依存するものだとも思う。例えば大きな災害があった時、テレビなんかで「『歌のちから』でみんな元気に!」という煽りを見ると、どこか押し付けがましさ、嘘臭さを感じてしまう。「歌のちから」というのは聴く人の心の中で生まれる、化学反応のようなものだと僕は思っている。

 


Colors - COSMOS

 

ただ、COSMOSの新作『Koozie Ammolites』を聴いた時は、はっきりと「『歌のちから』が凄え」と感じた。Vo.マエダカズシの歌声には、目には見えないが聴く人の心を確実に捉えて離さない「何か」があるのだ。

 

マエダカズシの歌声は決してクセのある歌声ではない、銀杏BOYZ峯田のように命を燃やすようなシャウトもなければ、The Birthdayチバユウスケのあの優しさと激しさが入り混じったしゃがれ声とも違う、よく通るまっすぐで耳馴染みの良い声。

だがその中には、熱さ、優しさ、切なさ、強さ、そんな歌の力を構成する様々な要素が高純度に凝縮されているように感じる。どんな状況でも不思議と耳に、心に入り込んでくる…そんな魅力が彼の歌声にはあると思う。

 


エスポワール - COSMOS

 

その歌声を後ろからガシッと支えるのが、もうひとりのオリジナルメンバーであるDr.たなりょー。新作の1曲目「エスポワール」は、シンプルなドラムビートが、苦しい状況下においても《笑ってみせるよ》と力強く歌うマエダカズシの言葉を一層引き立てている。2人が向かい合っているMVを見るとベストコンビという枠を飛び越え「夫婦」という言葉が浮かんでくるような、そんな信頼関係が垣間見える。

 

2017年8月、楽器が弾けないので鼻歌で名曲を量産していたVo.マエダカズシのもとに極度のお人好し達が集まり神戸で結成。
「めちゃくちゃいい曲」をコンセプトに活動中。

 

さらっと書かれた公式プロフィールだが、結構凄いことが書いてある。言葉にするのは簡単だが実行するのは難しい、「めちゃくちゃいい曲」というコンセプトを貫き通しているところ、そしてそれを人間にとって一番原始的な楽器である「鼻歌」から生み出してしまうところ…「近所の兄ちゃん」みたいな親しみやすさの裏に、とんでもない才能を秘めている、COSMOSはそんなバンドだ。

 

ひとたび聴けば、マエダカズシの持つ「歌のちから」に裏打ちされたバンドの良さを、全身で感じることができると思う。ほんの少し生きることに疲れた、明日を生き抜くパワーが欲しい、ノってる自分の背中を押して欲しい…そんな、とにかく何か音楽の力が欲しい人にオススメです、是非。

 

↑この記事を書いた翌年にライブを見に行った感想です。よろしければぜひお読みください。

 

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